弁護士 清 水 俊
2023年6月28日2 分
駅近くのマンション駐車場にバイクを無断駐車したところ、動かせないようタイヤロックがされていて、「不法駐車、罰金5万円」と書かれた紙が置かれていました。
タイヤロックされても仕方ないのでしょうか。「罰金」も支払わないとダメでしょうか。
まず、タイヤロックについてですが、無断駐車している車両とはいえ他人の所有物ですので、タイヤロックをかけて使用できない状態にすることは器物損壊罪に当たる可能性があります。また、バイクが使用できないことによる損害を賠償すべき民事責任も発生し得ます。
タイヤロックが正当防衛として許容されるかも問題となります。違法駐車によって土地の占有権が害されているので、占有権を守るためのやむを得ない行為といえる場合は正当防衛が成立し得ます。
ただ、今回のようにタイヤロックしても占有権を直接回復できるわけではなく、もっぱら置かれていた紙に書かれていた「罰金」（民事上の損害賠償）を支払わせるための「自力救済」と言わざるを得ません。
そうすると、防衛手段としての必要性や相当性に欠け、正当防衛の成立は難しいように思います。
次に「罰金5万円」についてですが、確かに無断駐車によって発生した損害を賠償すべき民事上の義務はあります。ただ、5万円が正当な根拠ある金額かはわかりませんし、タイヤロックという方法で支払いを半ば強制するというやり方も考慮すると、直ちに支払わないといけないとは言い難いです。
タイヤロックに関しては器物損壊の可能性もありますし、あまりに法外な請求であれば恐喝にもなり得るため、場合によっては警察を呼ぶ必要があると思います。
詳しい回答内容は取材協力した弁護士ドットコムニュースに掲載されていますのでそちらをご覧ください。