[Q&A]備品の「大量持ち帰り」は窃盗にあたるか?

質問

美容院に勤務している女性から「お客様がお店の備品を持ち帰ってしまう」という相談が寄せられました。女性によると、備品を持ち帰っていくのはいつも同じ客で、帰り際、毎回バッグをトイレに持ち込み、生理用品などの備品を5個以上持ち帰って行くとのことです。

備品も大量に持ち帰れば、窃盗に当たるのでしょうか。


回答


結論としては窃盗罪に該当します。


窃盗とは、占有者の意思に反して物の占有を奪うことです。今回は、生理用品などの備品の持ち帰りについて、店側の意思が問題となります。

店側としては、店内のトイレで使用してもらう目的で生理用品等を備え置いており、持ち帰って家で使うこと、まして大量に持ち帰ることなどは許容していないと考えられます。


そうすると、その場で使う分を超えて大量に持ち帰る行為は店側の意思に反して物の占有を奪う行為ですので、窃盗罪に当たるというわけです。もちろん、持ち帰る際に店側に同意を得ていたのであれば問題ありませんが、今回のケースではそういう事情もないでしょう。


さらに、今回のお店では、注意喚起の貼り紙までしていたということです。具体的にどのような注意書きなのかはわかりませんが、「お一人様1個まで」とか「その場で使用する分のみ」などと備品使用の個数や目的が明確にされていたのであれば、なおさら貼り紙後の大量の持ち帰り行為が店側の意思に反した窃盗であると言えます。


詳しい回答内容は取材協力した弁護士ドットコムニュースに掲載されていますのでそちらをご覧ください。


弁護士 清水 俊


最新記事

すべて表示

質問 車にキャンプ用の薪割り用の斧一本と刃渡り10センチの血抜き用のナイフを積んでいたことで警察から取り調べを受けました。起訴されるのでしょうか? 回答 まず、銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)は、一定の許可や職務上必要とされる場合を除いて鉄砲や刀剣類を所持することを禁止しています。 「刀剣類」とは、刃渡り15センチメートル以上の刀や、刃渡り5.5センチメートル以上の剣などを言います。 そのため、キ

質問 貨幣処理機製造大手の会社で、その社員が約13年間で計約21億5500万円を横領し、競馬の馬券購入に「約17億6300万円」、日常的な飲食代や遊興費に「約3億9200万円」を費消したというニュースがありましたが、刑事上・民事上の法的責任はどのようになりますか。 回答 まず、横領罪とは他人から預かっている物を自分のものにしてしまう犯罪で、5年以下の懲役となります。業務上預かっている物を横領した場

質問 北海道小樽市の飲食店を利用した男性が、料金を支払えないことを知りながら飲食したとして、北海道警に詐欺の疑いで逮捕されるというニュースがありました。このケースでは手持ちがないことが分かっていたようですが、もし食べた後に財布がないことに気づいて、支払いたくても支払えない場合でも詐欺になってしまうのですか。 回答 詐欺罪とは、欺罔(ぎもう)行為によって、相手方を錯誤に陥らせて財物を交付させることを