[Q&A]21億円を横領した経理担当の社員 、法的責任は?

質問

貨幣処理機製造大手の会社で、その社員が約13年間で計約21億5500万円を横領し、競馬の馬券購入に「約17億6300万円」、日常的な飲食代や遊興費に「約3億9200万円」を費消したというニュースがありましたが、刑事上・民事上の法的責任はどのようになりますか。


回答


まず、横領罪とは他人から預かっている物を自分のものにしてしまう犯罪で、5年以下の懲役となります。業務上預かっている物を横領した場合には10年以下の懲役となります。

自分の占有下にあるという点で、他人の占有下にある物を奪う窃盗や詐欺、強盗と異なります。


本件は多額の被害額ではあるものの経済的な犯罪なので、示談なり被害弁償がきちんとできれば執行猶予の可能性も出てくるのかもしれません。ただ、報道によれば大部分を費消したようなので、全額きちんと被害弁償をすることは困難でしょうから、基本的には実刑になると予想されます。


民事上は、不法行為に基づく損害賠償責任が発生します。

もっとも、被害金額が仮に20億円を超えるともなると、個人で容易に弁済できるような金額ではないため、めぼしい財産がなければ回収もできず、会社としては泣き寝入りせざるを得ない可能性が高そうです。

横領した者が罰を受け賠償すべきなのは当然ですが、被害者である会社の出納資金の管理に関する内部統制が形骸化していたとも報じられています。そうだとすれば、今回の被害は長年にわたってリスク管理を怠ってきた代償という側面もあるといえそうです。

なお、ずさんな管理体制だったという事実は、刑事裁判における量刑事情にもなり得ます。


詳しい回答内容は取材協力した弁護士ドットコムニュースに掲載されていますのでそちらをご覧ください。


弁護士 清水 俊


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