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[Q&A]キャンプ用ナイフ、車に積みっぱなしで「銃刀法違反」?

更新日:2022年10月3日

質問

車にキャンプ用の薪割り用の斧一本と刃渡り10センチの血抜き用のナイフを積んでいたことで警察から取り調べを受けました。起訴されるのでしょうか?


回答


まず、銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)は、一定の許可や職務上必要とされる場合を除いて鉄砲や刀剣類を所持することを禁止しています。

「刀剣類」とは、刃渡り15センチメートル以上の刀や、刃渡り5.5センチメートル以上の剣などを言います。

そのため、キャンプ用のナイフや包丁などはこの「刀剣類」にあたらず、所持することに問題はありません。ただ、刀剣類にあたらない「刃物」についても、刃体の長さが6センチメートルを超えるものについては「業務その他正当な理由」なく持ち歩くことが禁止されています


ご質問のような場合、おそらく銃刀法の「刃物」に該当するため、「業務その他正当な理由」があるかが問題となります。

キャンプで使ったものが入れっぱなしだったということなので、携帯していた時点で正当な理由があったとは言えないかもしれませんが、犯罪目的や悪質性があまり見受けられないため、起訴まではされないと考えられます。


事例の場合も片付けていれば問題にはならなかったでしょうから、キャンプから帰ってきたら、すぐにナイフなどの道具を車やカバンから出すことが基本です。また、手ぶらでバーベキューやキャンプができる場所もありますので、道具貸出はそういう意味でも気楽だと言えまそうです。


詳しい回答内容は取材協力した弁護士ドットコムニュースに掲載されていますのでそちらをご覧ください。


弁護士 清水 俊


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